日本中央バスの旅
 −新宿〜太田〜仙台−

3.まとめ
今回、日本中央バスが単独運行する路線と日本中央バスと共同運行する路線を乗り継いで新宿から太
田、太田から仙台へとやってきましたが、非常に対照的な路線だったことで面白みがありました。
やはり共同運行している路線の方が圧倒的に知名度が高いことが分かったと思います。
単独運行している路線の場合、どうしてもバス事業者の知名度がそのバス事業者の営業エリアである
地元だけに知られているけど、もう片方の地域では路線の存在すら知られていないという状況になっ
てしまいます。
今回の新宿〜桐生線・前橋線を例に取れば、群馬県内では日本中央バスの宣伝が行き届いています
し、県内のあちこちで日本中央バスのバス停を見かける機会も多くあると思います。
また、前橋市内や高崎市内といった群馬県で最も人口が多い都市でバスを運行しているため、地元民
であれば知名度もあることでしょう。
反対に東京都内では日本中央バスの名すら知られていることは殆ど皆無と言えるような状態です。
新宿駅で日本中央バスの文字を見つけることは殆ど不可能。
強いて言うなら、唯一日本中央バスの名前が出てくるのがヒルトン東京にあるバス停ポールだけでし
ょうね。

大手旅行会社で日本中央バスの乗車券を購入することはできますが、八戸鉄道・バス研究会別館ブロ
グ「日本中央バスに乗ってみよ!(4)計画篇」
でも書いたように、旅行会社側から取り扱っている
路線であるにも係わらず、「当社では取り扱っていません」と堂々と断られてしまうような状態で
す。
これらの要因が重なって、桐生行きの乗車人数低迷につながっているのではないかと思えたりしま
す。
東京は多くの人が密集しているところで高速バス市場としては非常に大きなパイがあることに違いあ
りません。
しかし、同時に沢山の情報が氾濫しているためその中で自社の高速バスの知名度を向上させることは
大変な苦労とコストがかかることでしょう。
日本中央バスもその辺りを考慮して、板橋区に東京営業所を開設してPRを必死に行っていることも
あるかと思いますが、如何せんなかなか知名度向上につながらないのが残念でなりません。
その中で発車オーライネットを活用し、予約システムでインターネット対応していることは素晴らし
いことだと思いますが、ここは一つもう少し突っ込んで公式サイトや携帯電話サイトを復活させて貰
えないかと思います。
今やバス事業者の公式サイトも当たり前の時代になっています。そして携帯電話サイトを開設してい
る事業者も非常に増えています。
せっかく発車オーライネットを活用している訳ですから、どこなびドットコムで密かにPRするより
も積極的に自社PRの場としてインターネットを活用しない手はないと思います。
まぁ、日本中央バスの場合は存在がなかなか分からないからこそ、面白みがあるというのは趣味的な
話になってしまいますが…。

社名にある「日本中央」という名前からして、これだけインパクトのあるバス事業者は他にはありま
せん。
そのインパクトを堂々とインターネットを通じて日本全国のみならず、世界に向けて情報発信してB
USターミナルおおたで見かけたように、外国人観光客にも愛用される高速バスとして定着を図って
欲しいと思います。
群馬県内は全国でも有数の外国人労働者が多い地域ですので、安価な料金で日本有数の観光地である
京都、金沢へ行けるのは、とても大きなメリットであるはずです。
外国人観光客はだいたい日本の物価が高いことに参ってしまっている人が多いと思われます。
そこで利用するには、時間がかかっても乗り換えなしで安価に目的地まで座って行くことができる高
速バスは、うってつけの交通機関であるはずですから。
日本中央という社名を活かし、日本を代表するバス事業者としての手本となるよう願わずにはいられ
ません。

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