日本中央バスの旅
 −新宿〜太田〜仙台−

1.新宿東京ヒルトン→BUSターミナルおおた間「新宿ライナー」日本中央バス便
いよいよ日本中央バスの乗り継ぎ体験乗車の日がやってきました。
計画を実行に移すまでに要した期間はおよそ3ヶ月。
最初の発想から半年を迎え、いよいよ今日の出発日を迎えたのでした。
私が出発地として指定した場所は、新宿駅。日本一のマンモスターミナルと言われる新宿駅に降り立
ちました。

金曜日とあって私も会社での仕事を終えたばかりで、まだ腹ごしらえを済ませていませんでしたので、
西口付近にて食事をとることにしました。
新宿駅西口に出て一番最初に目に付くのは明治安田生命第二ビルの裏側にある新宿高速バスターミナ
ルです。
新宿高速バスターミナルの向かい側には、テレビCMでもお馴染みのヨ○バシカメラも立地していて、
店のネオンも輝いて非常に明るい場所となっています。
これだけ明るいとバスターミナルに停車しているバスの撮影もしやすいかと思えば、バルブ撮影した
い人にとっては迷惑千万なのだそうです。

新宿高速バスターミナルから発車する山梨・長野へ向かう中央高速バスは、金曜日の夜ということも
あっていずれも続行便が出るほど盛況になっていました。
果たしてこれから私が乗車する日本中央バスの群馬方面行きのバスは、どれほどの乗客で混雑してい
るのかしら?
或いは期待を裏切ってしまうほど乗客がいないのでしょうか?
新宿高速バスターミナルから発車する中央高速バスの盛況ぶりを見て、非常に気になったのでした。
食事を済ませて、いよいよ日本中央バスの新宿のターミナルとなっている「ヒルトン東京」に向かい
ます。

新宿駅西口からヒルトン東京までは、ホテルから運行委託された京王バス東が送迎バスを専用車両で
運行しています。
新宿駅西口のバス停は、京王百貨店前にあり他に新都心循環も発着する乗り場と兼用になっています。
新宿駅西口のバス停から20:30発のヒルトン東京行きの送迎バスに乗り込むことにしました。
20:30発のバスは宿泊客と思われる外国人観光客ばかり乗っており、にわかに外国の大都市に海外旅
行へ来ているような錯覚を受けます。
新宿駅西口からヒルトン東京までの所要時間は7分で行くことができます。
ちなみに路線バスでも行くことはできますが、その場合には新宿駅西口小田急デパートとスバルビル
の中央部にあるバスターミナルから京王バス東が運行する宿33系統永福町行きに乗り、住友ビル前下
車が便利です。
本数は圧倒的に路線バスの方が多いですが、運賃が200円かかってしまいます。
徒歩で行く場合は、新宿駅西口から10分くらいかかります。

ヒルトン東京に送迎バスが到着するとともに、桐生発の日本中央バスが到着しましたが、見事に乗客
がいません。既にイヤな予感が脳裏を過りぎます…。
桐生発の到着から間髪入れずに前橋発のバスが到着しましたが、こちらは1名が下車してきました。
乗客の姿を見つけると、なぜかほっとする気持ちになってしまいます。
私は、何を不安に感じているのでしょうか?

前橋からのバスは前回乗車した時と同様に車体側面にLimousineと描かれていた羽田空港路線に使用
されている車両でした。
どうやら新宿線と共通運用されているようです。

ヒルトン東京の玄関前は大型バスが2台も止まってしまうと駐車場や通路が塞がってしまうので、群
馬から到着した2台のバスは出発時刻近くまで道路上で待機するため一度ホテル前から出ていきまし
た。
しばらくして、そろそろ発車という時刻が近づきましたが、乗客らしい人達を見かけません。さきほ
ど感じたイヤな予感がますます強くなります。
おまけに定刻20:50になってもバスは姿を表さないので、もしかして欠車するの?という妙な考えが
脳裏を過りましたが、20:52頃になって桐生行きの日本中央バスがホテル玄関前に到着しました。
とりあえず一安心。しかし、肝心の乗客らしい人達を見ることはありません。
結局、私ともう1人がバスに乗り込みました。当然ながら座ったのは最前列左側の座席です。
もう1人の乗客は中高年層のサラリーマン風の方でした。仕事で上京してきたのでしょうか?
結局2人が乗ったところでバスはそそくさとヒルトン東京を発車しました。
というわけで、新宿高速バスターミナルから発車する盛況ぶりを見せていた中央高速バスとは正反対
の状態で、たった2人の乗客を乗せてバスは桐生を目指して発車したのでありました。
イヤな予感が的中した瞬間です。あぁ、何ということか…。

しかし、まだ希望を捨てたわけじゃありません。私が乗車した最終便に限っては、都内でもう1箇所
の乗車バス停に寄ることになっていますので、きっとそこからの乗客がいるはずだと信じています。
もう1箇所のバス停とは都営三田線の高島平駅のことです。
都営三田線といえば東京都心に直結している地下鉄ですので、きっと都心へ出張に来た群馬県人がこ
のバスを利用するに違いありません!
と、なぜか前向きな発想で考えていた私でした。

21:26高島平駅バス停に到着する頃になりました。
都内の渋滞で少しばかり到着が遅れました。
さて、期待していた乗客は?
ところがバスはバス停に到着するというよりも、ややスピードを落としかけて通過してしまいました。
車窓から通過するバス停を見ましたが、乗客らしき姿はおろか通行人さえいない有り様・・・。
こんなことって・・・。酷いっ、酷過ぎ〜、厳しい現実を目の当たりにした瞬間でした。
もう1人の乗客サラリーマンは、すっかり寝息を立てて寝込んでしまっています。
この時点で本日の桐生行き最終便は、乗客2人だけだと決定した瞬間を迎えたのでした。あまりにも
寂しい車内のまま目的地を目指すことになったのでした。
ああ、悲しいかな。

バスは戸田入口から高速に入り、さらに美女木JCTから外環道へ入りました。
外環をスイスイ走っていき、21:41には川口JCTから東北自動車道へ入りました。
東北自動車道は渋滞もなく、順調に走行していきます。あまりに順調な高速道路の走りに、私もつい
ウトウトしてしまいました。
22:12に東北道館林ICを出て、IC近くにある館林バスセンターに到着しました。
ここには日本中央交通の車庫があるんですね、知りませんでした。
私以外のお客1人はここで降りてしまい、早くもBUSターミナルおおたまでの乗客は、私だけにな
ってしまいました。
しかし、私もBUSターミナルおおたで下車してしまうので、終点の桐生駅までは誰も乗っていかな
いことになってしまいます。

乗客が降りてしまった車内では運転手と私の2人だけで、少し心細くなってきます。
さらに心細さに追い打ちをかけるのが真っ暗な館林市街の道路です。
すれ違う車も少なく、さらに街灯も少なくヘッドライトに照らされた周囲しか明るくなく、周囲は暗
闇に包まれていました。

私はBUSターミナルおおたまでの乗車券を乗車時に運転手へ手渡しているため、途中バス停の館林
市役所、大泉町役場はいつの間にか通過してしまったようで、どこにバス停があったのかさえ気がつ
きませんでした。
途中、富士重工の大泉工場の広大な敷地横を通過したことで太田市への到着が近いことが分かりまし
た。
旧中島飛行機のあった広大な敷地は、今では富士重工へと変わっています。
ここが群馬県の自家用車普及率を一層高める要因ともなった軽自動車製造の一大工場になっているの
ですよね。
凄いもんです。

私が乗ったバスは、22:46にBUSターミナルおおたへ到着しました。
なんと定刻よりも40分も早着です。
途中のバス停をショートカットしてきたおかげでしょうけど、次に乗る仙台駅前行きのバスが発車す
る0:30までの待ち時間がさらに長くなってしまいました。
私を降ろした日本中央バスは、すぐにバスターミナルを後にしてしまいました。

バスが去ったBUSターミナルおおたは、秋の虫の声が響きわたるのどかな場所にありました。
それにしても真夜中に1人だけバスターミナルに降り立つというのは、これほど寂しいものだとは…。

次は仙台行きのバスに乗り継ぎます。

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